Science / サイエンス


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ScienceScience2022/12/14 23:372024/5/10 8:12

Shadow of

サイエンスは「現実界」の影でしかない.部分的に投影しているに過ぎない.現実界の前にサイエンスが先立つことはない. サイエンティストは(その端くれである僕は特に)謙虚に受け入れるべきだ.受け入れることによってサイエンスの限界を広げることができる.世界を反転して捉えている者からすれば受け入れ難いだろうが,そうでない者からすると皮肉を客観視することになる.
「現実界」は僕たちが五感で認知している「現実」ではなく,ラカンのいう無意識に相当する世界である.想像界を支配する象徴界の向こう側のストーリーである.これはニーチェがいうデュオニュス的なものに相当する.
自然科学は森羅万象すなわち自然を理解することを究極の目的とする.現実界のコンテクストを考えると,自然科学が捉えようとする理は現実界の部分的な転写でしかないため,副次的なものだと考えることができる.ドゥルーズが指摘したことであるが,ヒトは生まれながらにして原初の母性(デュオニソス的なものの源泉)を享楽という形で求めており,その一つの不完全な形態プロセスが副次的な自然探究であると言えるだろう.従って現実界の影なのだ.

論文

受賞 / 助成金

  • 文部科学省 STAR-Eプロジェクト 審査員特別賞 (2022)
  • Shell Award / Best Paper Award by TU Delft Geosciences Research Meeting (2017)
  • 日本地震学会 海外渡航援助 (2007)